きゃべつの趣味ブログ

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アクアリウムや家庭菜園,DIYなどのこと

ワムシの計数の仕方

今回は特にたいしたことではないが,ワムシの収穫の時に行う計算などの予習をしておこうと思う.たとえば,何匹必要なので何リットルのワムシを収穫するか,というようなかんじ.

培養密度

シオミズツボワムシの培養で重要になるのがその培養密度である.これが高すぎると,すぐにだめになってしまう.きちんとワムシの密度を計測して適切な密度まで培養して収穫することが好ましい.

好ましい培養密度はどれくらだろうか,調べる限りふつうの曝気で培養する方法では300匹/ccあたりで培養を始めて1000匹/ccくらいで収穫するのがいいらしい.

栽培漁業センターのような水産種苗生産で大量にシオミズツボワムシを培養する場合,酸素発生器をつかって直接酸素を培養槽に曝気してかなりの高密度,だいたい1万個/cc

くらいで培養することもできるらしい.一般のご家庭ではなかなか難しいと思うし,そんなに大量のワムシが必要になることもなかろう...

密度の計数

計数のマテメソ

さて,密度が大切なのは理解できたのだが果たしてどのように密度をはかろうか.考えた結果,リンク先のようなプランクトンの計数につかう界線入計数板というやつが手元にあったのでこれを流用することにした.

ikmt.nakayama-co.jp

これにメスピペットかなんかで正確に1 mlか500 µl,培養液をはかりとってワムシの数を数えたらいいと思う.それで単位量あたりのワムシの数を推定することができるので,給餌量の計算とかができる.より正確にワムシの管理ができるという訳だ.

ところで,じっさいに測るときにワムシは生きているので動き回ってどこまで数えたかわからなくなってしまう.なのでワムシをホルマリンかなにかで固定して数えたいのだが家でホルマリンは使えないし使いたくない.というわけでドラッグストアに売っている喉の消毒液の複方ヨード・グリセリン(ルゴール液)を用いた.ヨードチンキもいいんじゃないかと思ったけどエタノールが入っているせいで水と混ざるときに変な水流が起き続けてワムシがくるくる回り続けるのでぜんぜんはかれなかった(エタノールで固定してもいいけど,これと同じことで当分くるくるかき混ぜられて動いているので測りにくい).

このルゴール液なら,ワムシがすぐに固定されて、そしてワムシがヨウ素で真っ茶色に染まるのでかなり数えやすくなる.(めっちゃくさいけど.)

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ルゴール液とヨードチンキ

計数板にメスピペットでとりあえず500 µlはかりとってルゴール液で固定した.

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下の写真のように茶色に染まって数えやすい.

ちなみに,この計数板は1 mm平方の方眼が刻んであるのでこれを目安にワムシを数えていく.

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計数の結果

以上の方法で,1 ccあたり384匹のワムシが計測できた.ほとんど培養の初期段階の密度なのでこれから1 ccに1000匹くらいまで増やしていこうと思う.

今は培養槽に4リットル満タンに培養しているので,384×4000=約15.4万匹ぜんぶでいる計算になる.

こちらのカミハタさまのホームページの記事によると,カクレクマノミの稚魚に給餌する際に飼育水での適切なワムシの密度は10個体/ccらしい.

aquarium-fish.kamihata.net

というわけで,たとえば総水量1リットルのケースでカクレクマノミの稚魚を育てるとしたら,10 /ccなので1万匹のワムシを投入すればよい.

つまり今回の培養槽では,15.4で4000 ccを割って約260 ccの培養液を収穫すればよいのか.なるほど.

 

今回も自己満記事だがじっさいの作業のイメージができた.