きゃべつの趣味ブログ

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アクアリウムや家庭菜園,DIYなどのこと

孵化しました

産卵から9日目に半分くらい孵化し残りは10日目に全てが孵りました.だいたい25℃くらいの水温でこのくらいか,ほかのブログなどでカクレ繁殖をやっておられる方々が言っているのと同じくらいで孵化した.

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仔魚

ちなみに,孵化してすぐの変態前の魚は仔魚,変態後は稚魚といいます.

9日目に孵化したのは15匹くらい掬って,プラケースに入れてたんだけどどうも調子が悪いわしくみんな沈んでしまった.全滅してしまっては悲しいので,10日目に孵化した仔魚も掬って,30匹くらいはすくった.

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仔魚を入れたケース

掬い方がかなり重要であるようで,容器を沈めて容器に水を入れていくと流れが強すぎてだめになるらしい.仔魚の泳いでいる周りの水ごとくり抜く,ボウルを回転させるように水に差し込んで水面の差はつけないようにしてすくった.この方法が仔魚への水流が一番ないように思えたので.

翌朝水槽を見ると,15匹は死んでいたが残り15匹くらいは元気にピンピン泳いでいる.ここからまたけっこう落ちていくんだろう...

ちなみに,曝気のためのエアストーンはワムシなどの腐敗した水カビのようなモヤモヤがついて,そのモヤモヤに仔魚が引っかかるのでガラスキャピラリーを使って曝気することにした.エアの量はストーンを使ったときと同じくらいに出したので,溶存する酸素の量も多分同じことだろう.

孵化から3日目までの期間はクリティカル・ピリオドというらしい.仔魚期はこの卵黄仔魚期から摂餌をする仔魚期の間に死亡率が高くなると言うことだ.ワムシを高密度に入れて対策する.照明を24時間点灯するのがいいらしいが,水槽に浮かべてしまっているのでこれは無理.なんとか半日点灯で摂餌を初めてくれ・・・笑

孵化しそう

孵化直前

産卵から七日目,卵の様子は,目ができて銀色のつぶつぶがたくさん見える.

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昨晩八日目の夜に見張っていたら,1匹だけ孵化していた.おそらく,本日九日目が本格的な孵化だと思う.

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世話をしている

とりあえずフライング孵化の1匹を救って,プラケースに入れた.

ワムシも入れて,準備OK.今日の朝見てもその1匹は泳いでいた.死んでると思ったんだけど,案外にも.

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わかりにくいけど,ケースの四角の右の辺上にいる

 

 

ワムシの培養は,ナンノで2週間ほどやってみたけどナンノの培養が安定するときとしないときがあって怖いのでやはり生クロレラを注文した.ついでに,栄養強化剤も頼んだので,2次培養は栄養強化剤を使うことにした.ナンノは飼育水に入れたりするのに使うかな.

 

それとあんまりどうでもいいけど,テトラセルミスの培養槽にワムシがコンタミしてた.テトラで真緑だった培養液がすっかり透明になってしまっていたので,気をつけなきゃ...

産卵

ワムシを導入して,世話の仕方もだいたいこれまでの記事に書いたとおりであまり進展せず,記事も書くネタねえやとか思ってましたけどやっとカクレクマノミが産卵してくれました.繁殖を意識してなかったときはまた産卵したわとか思っていたけどいざ産卵に備えて準備をすると,なかなかしないなあと感じた.

 

変わったことと言えば,ワムシの培養でクロレラを餌に使っていたがなくなったのと,送料が高くて買いたくなくなったので二次培養用のナンノを通常の培養に使うことにしたくらいか.これなら二次培養とかしなくていいし.

 

産卵

産卵は1月26日の夕方にしていて,帰宅して水槽をみるとすでに生まれていた.

 

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カクレクマノミと卵

いつ生まれるのだろうか.大体,7~10日くらいで生まれると思うのだけど,今まで正確に記録してなかったのでわからない…

様子を見ながら,ワムシも個体数を増やしつつやっていこう…

 

次は孵化の記事かな.

ワムシの計数の仕方

今回は特にたいしたことではないが,ワムシの収穫の時に行う計算などの予習をしておこうと思う.たとえば,何匹必要なので何リットルのワムシを収穫するか,というようなかんじ.

培養密度

シオミズツボワムシの培養で重要になるのがその培養密度である.これが高すぎると,すぐにだめになってしまう.きちんとワムシの密度を計測して適切な密度まで培養して収穫することが好ましい.

好ましい培養密度はどれくらだろうか,調べる限りふつうの曝気で培養する方法では300匹/ccあたりで培養を始めて1000匹/ccくらいで収穫するのがいいらしい.

栽培漁業センターのような水産種苗生産で大量にシオミズツボワムシを培養する場合,酸素発生器をつかって直接酸素を培養槽に曝気してかなりの高密度,だいたい1万個/cc

くらいで培養することもできるらしい.一般のご家庭ではなかなか難しいと思うし,そんなに大量のワムシが必要になることもなかろう...

密度の計数

計数のマテメソ

さて,密度が大切なのは理解できたのだが果たしてどのように密度をはかろうか.考えた結果,リンク先のようなプランクトンの計数につかう界線入計数板というやつが手元にあったのでこれを流用することにした.

ikmt.nakayama-co.jp

これにメスピペットかなんかで正確に1 mlか500 µl,培養液をはかりとってワムシの数を数えたらいいと思う.それで単位量あたりのワムシの数を推定することができるので,給餌量の計算とかができる.より正確にワムシの管理ができるという訳だ.

ところで,じっさいに測るときにワムシは生きているので動き回ってどこまで数えたかわからなくなってしまう.なのでワムシをホルマリンかなにかで固定して数えたいのだが家でホルマリンは使えないし使いたくない.というわけでドラッグストアに売っている喉の消毒液の複方ヨード・グリセリン(ルゴール液)を用いた.ヨードチンキもいいんじゃないかと思ったけどエタノールが入っているせいで水と混ざるときに変な水流が起き続けてワムシがくるくる回り続けるのでぜんぜんはかれなかった(エタノールで固定してもいいけど,これと同じことで当分くるくるかき混ぜられて動いているので測りにくい).

このルゴール液なら,ワムシがすぐに固定されて、そしてワムシがヨウ素で真っ茶色に染まるのでかなり数えやすくなる.(めっちゃくさいけど.)

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ルゴール液とヨードチンキ

計数板にメスピペットでとりあえず500 µlはかりとってルゴール液で固定した.

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下の写真のように茶色に染まって数えやすい.

ちなみに,この計数板は1 mm平方の方眼が刻んであるのでこれを目安にワムシを数えていく.

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計数の結果

以上の方法で,1 ccあたり384匹のワムシが計測できた.ほとんど培養の初期段階の密度なのでこれから1 ccに1000匹くらいまで増やしていこうと思う.

今は培養槽に4リットル満タンに培養しているので,384×4000=約15.4万匹ぜんぶでいる計算になる.

こちらのカミハタさまのホームページの記事によると,カクレクマノミの稚魚に給餌する際に飼育水での適切なワムシの密度は10個体/ccらしい.

aquarium-fish.kamihata.net

というわけで,たとえば総水量1リットルのケースでカクレクマノミの稚魚を育てるとしたら,10 /ccなので1万匹のワムシを投入すればよい.

つまり今回の培養槽では,15.4で4000 ccを割って約260 ccの培養液を収穫すればよいのか.なるほど.

 

今回も自己満記事だがじっさいの作業のイメージができた.

ワムシの収穫

収穫

とりあえず前回から,毎日濃縮生クロレラを毎日2ccやり続けて,だいぶ増えてきたので収穫してみる.まだかんじんのカクレクマノミは孵化どころか産卵もしていないけれど,来る本番の日のために収穫から二次培養までの一連の流れを予行しておこうと思う.

というか,ワムシが増えすぎたら全滅するので間引き培養のための収穫でもある.

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灯油のポンプを使う.ナンノクロロプシスの収穫に使うポンプとは別にしないと,ナンノクロロプシスの培養槽にワムシがコンタミして,ナンノクロロプシスがたべつくされてしまう.

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収穫したワムシを自作のワムシネットでこした.目が100μmなので,すこし粗いかもしないと思ったがまあとれてるのでよし.

茶色いのが濾されたワムシ.

 

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このままでは,淡水産クロレラでそだっただけなので高度不飽和脂肪酸に乏しい.なのでナンノクロロプシスも収穫して,2次培養・栄養強化のための培養を行う.たぶん6時間とかすればいいんじゃないだろうか.意外と,ナンノクロロプシスも密度が上がってきたらしく,濃い緑色になっていた.

わからないので.とりあえずナンノクロロプシスの緑色がなくなって透明になるまで2次培養はやってみよう.

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水温が低くなるので,メイン水槽で湯煎することにしよう.

 

カクレクマノミが生まれたときのながれ

今回の収穫作業で一連のながれをイメージできた.

手順としては,

 

  1. カクレクマノミの孵化予定日を推定する
  2. 孵化予定日前日までに収穫できるだけの密度のワムシとナンノクロロプシスを培養しておく
  3. 孵化予定日前日晩もしくは当日朝に2リットルくらいワムシを収穫・ナンノクロロプシス1リットル収穫して2次培養
  4. 孵化確認・仔魚の確保
  5. ナンノクロロプシスと2次培養ワムシの給餌
  6. ナンノクロロプシスとワムシの培地の補給
  7. 次の餌料のアルテミア孵化の準備

という流れで行こう.孵化日の推定が難しそうだが,孵化しなかったら培養槽に戻すとか,2次培養を続けるとかで対応しよう.間に合わないよりマシなはずだ.

仔魚の飼育水にもナンノクロロプシスを入れるとよいらしい.まず給餌したワムシの餌になるので,仔魚が食べるまでの間,ワムシが餓死しないようにするため.そして水質安定,透明度をわざとナンノクロロプシスで落として仔魚へのストレスを軽減するなどの効果が期待できるそうだ.

心配なのは,ナンノクロロプシスの培地に,最初に硫安をつかったので,アンモニウムイオンの毒性くらいか.でも直近の培地はそれを考慮して硝酸ナトリウムを使用しているのでマシにはなると思う...?

今回は以上で.

水槽の紹介

メインタンク

90*45*45cmの水槽.AMP製.

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濾過はプロテインスキマー2台.TUNZEのやつと,ダルマの二刀流.

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クーラーはゼンスイのZC-200α

通気性を考えて後ろを前にしている

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カルシウムリアクターは自作のもの.水漏れが怖い...

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照明はGrassy CoreのLED.

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水槽周り全景.

ちなみに水槽台は自作である.

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生体の紹介

トミニエンシスタン

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クロシテンヤッコ

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キイロサンゴハゼ

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ルリヤッコ

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ヤエヤマギンポ

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サブタンク

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プレコ製の30cmキューブ水槽.濾過はカッパのプロテインスキマーで,一応ベルリンシステム.

 

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こちらはカクレクマノミペアとハタゴイソギンチャクだけが入っている.

カクレクマノミとシオミズツボワムシ

カクレクマノミの繁殖にチャレンジしたい

現在,カクレクマノミのペアを飼育しているのですが,よく卵を産むので繁殖にチャレンジしてみたいと思います.このペアは,6年くらい前に別々に購入したカクレで,4年ほど前から気づいたら仲良くペアになってました.

その後ずっと,2週間周期で卵を生み続けているのです.

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飼育しているカクレクマノミのメスの方

せっかく卵を産むので,育てたいと思いながらいままで来たわけですが,やっと重い腰を上げてカクレクマノミの繁殖にチャレンジしてみたいと思います.

 

調べてみると,かなり難しそうなので恐る恐るやってみようと思います.

 

繁殖でまず必要になってくるのが仔魚が生まれて,卵栄養から摂餌を始めるときの餌です.一般によく最初の餌(初期餌料)として使われるのはシオミズツボワムシという微生物です.すこし成長すると,アルテミアを餌にして,さらに大きくなってくると人工餌を与えるようです.

そしてこの初期餌料のシオミズツボワムシは,魚介類種苗の初期餌料としてよく使われているわけですが,その理由は生活史が回るスピード,培養の簡単さにあるようです.

 

というわけで,シオミズツボワムシの生産を安定させることをカクレクマノミ繁殖の第一目標としてやっていきたいと思います.

 

シオミズツボワムシの培養

まずはシオミズツボワムシの入手から.日海センターとかで売ってました.

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シオミズツボワムシ

顕微鏡で観察してみた.

シオミズツボワムシの餌

そしてシオミズツボワムシの培養のために必要な餌,クロレラも必要です.普段の培養にこのクロレラを餌にしてワムシを増やしていきます.

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クロレラ

日海センターで購入.小分けにして売ってくれているのでありがたい.クロレラを濃縮したもので,冷蔵で1ヶ月ほど持つ.すごい濃いので,多分1日1ccほどやればいいと思う.

そしてこの濃縮クロレラは淡水のものなので,シオミズツボワムシの培養液(海水~汽水)に入れると死にますから,ワムシが1日で食べ尽くせる量を見極めてやらないと培養槽内で腐るそうだ.腐敗には気をつけねば,最悪すべて死滅する.

 ワムシの栄養強化について

また,淡水産クロレラを含め淡水産藻類は海産魚に必須脂肪酸DHAEPAなどの高度不飽和脂肪酸を生合成できませんから,淡水産クロレラで培養したワムシは餌としての機能が乏しいとのこと.なので,給餌直前に専用の栄養強化剤や,ナンノクロロプシスという海産単細胞藻類を与えて栄養強化をしてやらないといけない.海産の藻類は高度不飽和脂肪酸を合成できるらしい.これはアルテミアでも同様らしい.今回私が購入した生クロレラにはDHA・EPA配合とあるが,どうなんだろうか.

*1

 ナンノクロロプシスの培養

というわけで,ナンノクロロプシスも入手.こちらは窒素燐酸加里の肥料と,その他諸々の必須微量元素を含んだキレート剤のクレワット32という粉を薄めの海水に施肥,光を当てていればそのうち増えるらしい.私はクレワット32が手に入ったが,おそらく普通はなかなかそうはいかないので,海産クロレラ培地などで売っているのを買うしかないか?.

とりあえず尿素,過リン酸石灰で作ったがどうも尿素のほかに硫安もつかうことがわかった.尿素・硫安・過リン酸石灰・クレワット32という配合が屋島培地という従来の水産種苗生産で用いられてきたメジャーな配合のようだ.次回はこれを作ってみよう.

 

培養をはじめる

シオミズツボワムシとその餌が手に入ったので,培養槽をつくる.

あまり大量にもいらないので,シオミズツボワムシの培養は4リットルくらいのかなり小規模でやってみる.水量は多い方が安定しそうだが,大きいと面倒なので・・・

ナンノクロロプシスはワムシの餌のほかにも,水槽に直接投入してサンゴの餌としたり,水質安定の効果が期待できるらしいので,すこし多めに16リットルくらいか.

ワムシの餌とするにも,ナンノクロロプシスのほうが増えるのに時間がかかるのでワムシより大量生産する必要があると思う.

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培養のようす

写真のように梅酒とかをつける瓶を買ってきて,これを培養槽にした.これの中蓋がちょうど使いやすくてよい.

 

培養の温度管理は一括で行いたいので,湯煎の要領で瓶を水につけ,その水にヒーターを当てている.22℃.ワムシ的にはもっと高水温がよいようだが,ナンノクロロプシスも同時に培養をしたいのでまあ適当に22℃にした.様子を見ながら温度はのちのち決めよう.

 

ナンノクロロプシスは割と低水温でも大丈夫らしいので,ナンノクロロプシスの培養槽は外に出してもいいかもしれない.

 

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ワムシの培養槽

ワムシにクロレラを与えてから1晩くらいたつと,底に茶色いものがたまっていた.これはおそらくワムシの糞やクロレラの死んだものだろう.

 

とりあえず...

とりあえずは淡水産クロレラでシオミズツボワムシの培養と,ナンノクロロプシスの培養を様子を見ながらやっていきたい.培養がうまくいったかは次回へ...

 

続くかなこのブログは...笑

*1:じゃあ淡水魚は高度不飽和脂肪酸の摂取はどうしているんだと思って調べてみると彼らは自分でリノール酸から不飽和脂肪酸を生合成する経路をもっているとのことで,納得.